以前は誰しも罹患する疾患でしたが、随分と減りました。
ウイルス感染症ですが、インフルエンザのような特効薬はありません。
過去に罹患されていない方の予防法はワクチンです。
一回のみのワクチン接種後の罹患例もあり、できれば2回接種が望まれます。
本邦では一時期、定期接種(MMRと称した、麻疹、ムンプス、風疹との混合ワクチン)が行われていましたが、平成5年以降は任意接種で接種率も30%程度と十分ではありません。このため、いまだ散発的に流行が生じています。
以前は一度発症すれば、終生免疫がかかり、2回はならないといわれておりましたが、ごく稀にまた罹患される方があります。問題点は合併症です。
髄膜炎、膵炎、睾丸炎、卵巣炎などはそれぞれの担当科の先生にコンサルトが必要ですし、耳鼻科にとっては難聴が問題となります。ムンプス例1000人に1人程度は生じる改善困難な難聴となります。
多くは片側だけですが、難聴への薬物療法が期待できないため、両側例では人工内耳も考慮する必要があります。予防が重要ですので、罹患されていない方はワクチン接種を受けておいた方がよいと思います。